立ち昇るタバコの煙のあと 消えていく理性を予感した 宙に漂う僕たちは 名前さえも捨てて お互いの熱を 求め合う部屋のなか 過去も知らない香り でもどこか懐かしいぬくもり 官能的な描写のシーン 繰り返す夜 愛なんてものここには無いけど もう自分は置いてきたから 戻れないただ落ちていくんだ 深く 不覚 さらけ出すソファベッドの上 それはまるで無観客公演 二人だけで揺れるFriday 熟れた果実は甘い香りで 抜け出そうとするほど 深く深く入っていく 君との一夜 写生してみたら いつかどこかで見た ワンシーンのようだ 土曜日の明け方 桜雨に散る 花びらの幻想 ピンぼけ霞んでゆく 僕の知らないメロディ でもどこか落ち着くひととき 官能的な描写のシーン 映し出す夜 愛なんてもの忘れてしまうけど もう誰にも言えない秘密 抱えたまま生きていくんだ 青く 蒼く 瞬きさえも躊躇うエンドロール 悲しみの振袖を着た君は美しい ピンク映画みたいな春に溺れていく 助演の僕と 慰める君