久しぶりに通った駅 窓から見える土手の桜 光の中 舞い散って 風が白く霞む あの頃よく通った駅 あなたに早く会いたくて 発車のベル待ちながら ぼんやり見てた桜 おかしいくらい変わらない景色 不意に時が止まる 戻る 思い出すほどに遠く離れて 振り向いても 届かなくて 過ぎ去りしもの それはいつでも 季節じゃなくて 私なんだ 覚えてるのはあなたじゃなく あなたに早く会いたくて 発車のベル待ち切れずに いらいらしてた私 動き出す電車 流れ出す景色 揺れる窓の向こう 桜 スピードが上がり小さくなって 振り向いても もう見えない 立ち去ったのは こうやっていつも 季節じゃなくて 私だった またひとつ春を失うけれど また出会える きっと出会う めぐりゆくもの それはいつでも 季節じゃなくて この思い スピードを上げて風をくぐって 次の駅を目指して行く 失ってきた だけどいつでも 終わりじゃなくて はじまりなんだ だからきっと こんなに春は 美しいんだ