354と355の間に挟んだ 指に残ってるあの文字の感触 なんて事ない一日の情景 散々迷って何も買わずに帰った 本屋の帰り道 365日ずっと想ってるとかではない けどそれなりに続いてる 惰性で買ってる雑誌についてた付録 散々使って薄汚れてるのに 今でも捨てられない 皺のついた ボロいカバーがかかってる あの本屋の 進む曲がるあの角の二段目に 確かに読んだのに もう中身は忘れてる そんなものばかりのこの本棚 宗教思想哲学挟んで 児童書の辺りは人もまばらだから ここなら今ならって思う 君と二人きり 紙の匂いの中に探すあの匂い こんなに明るいのに また明日ホタル流れる ぶら下げた一冊は 夜道を照らして光る 知らなかった折れ目 辿ってみてもどこにも着けない 忘れられたチラシまだ新しい 確かに買ったのにそれごと忘れてる 買取価格一円そんなある日 356と357の間に挟んだ指に残ってる あの文字の感触 なんて事ない一日の情景 散々迷って何も買わずに帰った 本屋の帰り道