光の君は 誰あろう 皆の思いが相まって そのお姿は浮かばれる 琵琶湖の湖畔のその人の 「融の君ではどうだろう」 月明かり眩しくて 眠れない真夜中は 寂しがりの君のために 届けよう物語 霧深い湖の 幻の庭園は 夢追い人君の影に 届けよう物語 「私のこの世の役目は、源氏物語を 書くことだと悟りました。 私の知識と経験は そのためにあるのです。 そうして書き終えて、 私は再び天女となるのです」 天の河交差する 天命の船に乗る 寂しがりの君のために 届けよう物語 銀河の降り注ぐ 光に目を奪われるような そのお姿を 光源氏と名付けよう