途切れるはずなどはないと 知った風なことばかりを 一吹きで消えそうな程漫ろでいた 僕は あまりにも淡い 淡い色で描いた 深い 甘い結末への誘いさ そればかりか その頬にさえ手を伸ばした また 鈍い夏が始まった 指でなぞるのはたった 幾つの君との思い出ばっか ひたすら呆けてた 徒らに待ちぼうけてた 炎天下 覗く水槽の中 腑抜けた表情のまま 軽々しい言葉の裏にひた 隠したやりようのない秘密 バツ悪そうに くすぐったそうにこの空に響く 鴎が声枯らした頃には なんとなく視線を落とした あぁそうか 分かってたつもりだったのにな これは手垢まみれでも 上書かれやしない君と僕の歌さ 疼くからだじゃ 逆上せるあたまじゃ 怖くて仕方ないんだよ まだ禍々しい嵐の最中 やたら魂を焦がしながら 切なさの花束 この夏が終わったら 何度この光景を焼き 付けているだろう 話しそびれてしまうまま 砂を噛む数週間はいつの間に 褪せてしまう ただの感傷と 微温湯に浸かっているうちに ほら不意にまた 夏は君を連れ去った 可惜ひつじ雲の揺蕩う 窓の向こう眺め舌打った ろくすっぽ分かっちゃいないで ただ素っ惚けてばかりで 二の足を踏んでいるだけの 僕を巻き戻してく陽炎 柔らかい眠りから目が覚めて そこは青白い光と記憶の混濁 まして夢は醒めて その大差ない違いを君ならどう 描くだろうか 唯か否かじゃ 解けやしないこの魔法は のべつに押し寄せてくる多幸感は 尻込みする程の感動さ とち狂った真夏に君を探す どんな台詞も聞き逃さず 有象無象潜り込むような明日には 戻れないね いつかの君はどうだった? ともすればそれは 永遠の様だったのにさ どのみち迷いは まばたいた焔と消えることに たった今気付けたのにそこで タイムアップ 何度この光景を焼き 付けているだろう 話しそびれてしまうまま 砂を噛む数週間はいつの間に 褪せてしまう 君の残像も空白に溶け出していく