月波

歌詞

気付けば存在していたみたいに 月と記憶の始まりは朧げ 「その前」のこと 覚えてやしない その前に「その前」 など在りやしない 命はおこぼれ 親は衰え みなが事の顛末を一つ知る 死生観を持つにまだ早い子らに おとぎ話を少し濁し 読み聞かす 新月から満月 満月から新月 満ち欠けと共に波打つ心電図 新たな死別 私も衰える時が訪れ 担い手は子どもへ 本望と思える 欠けゆく月の習わしに倣い 在りやしない「その後」へ 満たした月と生きて 何年だって反射光は変わらない 紡がれる命の糸を信じる けど解かれるのも真実 浸した波と死んで 何遍だって反作用は変わらない 何年経っても 何遍立っても 気づけば流れる時代 遠のく記憶 解ける糸を 必死に紡ぐ 無数の命が点々と光り群れをなす 波に揺られ 潮にもまれ 作られた陳腐な1日が 積み重なって 永遠と思える 時間に繋がれ 波にさらわれる 忘れてしまわぬように影を残す 深くもっと深くから浮かぶあぶく 一つ一つに命を宿す 劇的なカタストロフ ひっそりと散る花の如く どちらにせよ 波の前じゃ問わない大小 削られそがれる 肉片 連なる魂 運ぶ方舟 水面に映し出される月と波 満たした月と生きて 何年だって反射光は変わらない 紡がれる命の糸を信じる けど解かれるのも真実 浸した波と死んで 何遍だって反作用は変わらない 何年経っても 何遍立っても 満たした月と生きて 何年だって反射光は変わらない 浸した波と死んで 何遍だって反作用は変わらない