まどろみの向こう 声がした (幻聴だ、レイ。いや、それがお前 を繋ぎ止めるなら……) とぐろ巻いてるケーブル (旅人が迷子になる理由を知ってい るか、レイ) 絡みつく 探すよ(電脳の海の奥深く) 導いて(お前は潜り続けるだろう) 答えに(どこまでも深く、オレとと もに) 途方もないほど (無窮にすら思える闇が、お前の瞳 を覆うだろう) 眠れぬ夜を超えようとも (見失うな、レイ。お前が進むとき は、オレも進む) あの日のままの君を (どれほど固く閉ざされていようが) (どれほど上手く隠されていようが) (どんな姿になっていようが) この手で(必ず)取り戻す 雨音の向こう 消えていく (今のお前はまるで、悪い夢でも見 ているようだな) 静けさの中 天井を 見つめてる (目印があれば迷うことはない。見 逃すな、レイ) 閉ざしたブラインド (張り詰めている緊張の糸が、いつ かお前を縛るだろう) 日差しが漏れ出す (身動きすらもできないほど、強く) 悪夢の果て 辿り着いたら 目が覚めるまで 君の手を取ろう 途方もないほど (記してきた足跡の数が、その重さ を物語るだろう) 眠れぬ夜を越えようとも (忘れるな、レイ。なにがお前を照 らしていたのかを) 踏み出すかぎり (それがどれほど暗いところでも、 それがどれほど重い扉でも) 時は 動き出すだろう (二人なら暴けないものなどない。 同じことなんだ、レイ) 光が射すほうへ (憎しみには限りがある。戦い続け ることにも) 歩き続けてきたんだよ (手放すな、レイ。お前はもう、迷 子じゃない) 二人さまよった (目を凝らすにはあまりに小さく、 見失うには大きすぎるもの) 日々を(どれほど限りなく思えても) あの日々を(迷路はいずれ終わる) 超えて(闇はいずれ晴れる) 二人で(必ず)この先へ (旅人が迷子になる理由を知ってい るか、レイ) (お前でも、冗談を言ったりするん だな) (冗談?) (迷子になった奴を、旅人なんて呼 んだりはしない) (だが、オレたちはそういう旅をし てきた) (……ハックモン) (礼などいい。オレはお前のバディ だ。ただ、たまにはまともな食事を とれ) (わかってる。これから、な)