うだる暑さがもうそこまで来てた 魘されている羊の群れ 女々しくても勇ましくても同じ やさしい顔でやさしい唄を 吐いて汚してあげる あなたに届かない声ならいらない 一雫の血潮で風を起こして 這うように押し寄せて 答えだけ返して 魚座にもなれない水瓶は尽きて 過去を潤す井戸は涸々 火をつけるなら惨めな約束に 沖に漂う砂糖細工の舟を 手招くように あなたに抱かれない夜ならいらない 瞼に"灰かぶり"雨ざらしの女 底つきた乞いならば慰めて壊して あなたに届かない声ならいらない 一雫の血潮で風を起こして 這うように押し寄せて 答えだけ返して