金曜ロードショウ なんとなく観てしまう 魔女の宅急便に泣いた 十三歳の夏には もどれないことを知る ラヂオの予報は ことごとくはずれてしまう とんぼのきもち雨に打たれ キキのやさしい魔法も 届かないことを知る ストッキングをひき裂いて ここからすぐに連れだしてよ 大人になれずに ずっと待っていたのに ストッキングの網目で あやとりするのも飽きたよ 夢みる必要のない 夢の国へ連れだしてよ 自分の力を 信じきれなくなるとき いびつに歪んだ心は たった一つの魔法を 忘れかけていたんだ もうわかっているよ わたしは特別じゃない 少女のころ窓辺に 腰掛け唱えた 信じる魔法を思い出せたら ストッキングをひっ掻いたり なんでも好きにしちゃってよ かすり傷くらい 痛くも痒くもないの ストッキングを この手で裂いて 窓の外へ飛びだしたら 夜空に伝線した ほうき星かかって 綺麗でしょう 綺麗でしょう