霧雨が静かにまいおりて 銀色に歩道をひたしてる 恋しいあの人の顔が窓にうつり 夜はゆっくりと更けていく いつも寂しいこの停車場で 行ってしまった人を待っている 長いコートに ああ けだるいひとみの あの人を誰か 知らないかい 陽の訪れのように あらわれては消えた 私を一人にしていってしまった 夜汽車の汽笛 聞くたび 街の灯 にじんでゆれた 一度だけ抱かれ 熱く燃えあがった 炎をしずめもせず消えはてた ためらいのまま愛は 私の胸の扉たたき ふりむきもしないで ああ この人生を 悲しみだけのこし 過ぎてゆく 陽の訪れのように あらわれては消えた 私を一人にしていってしまった 陽の訪れのように あらわれては消えた 私を一人にしていってしまった