カントリー・デュオの中には、曲作りの過程で出会った者もいれば、地元のバーで出会った者もいる。ダン+シェイはそんなよくあるきっかけではなく、ダンのリビング・ルームに広げたテントの中で出会ったのだ。
「パーティーをしていたんだけど、光熱費を払うお金がなくてね。だから一緒に中古品を取り扱う店に行ってテントを買って、僕のリビング・ルームに広げたんだ。」 ピッツバーグの田舎からナッシュビルに移り住んだダン・スマイヤーズはこう語る。
「そのテントの中に入ってから、作曲をして女の子のためにの歌を歌って、最終的に朝の4時までセッションをしていたんだ。」アーカンソー州出身のもう一人のメンバー、シェイ・ムーニーがそう語る。「ダンと僕は初対面の時から意気投合して、出会った翌日から一緒に曲を作り始めたんだよ。」
そして、ラスカル・フラッツ、キース・アーバンやティム・マックグロウから影響を受けた彼らは、90年代のロックやR&Bのテイストを取り入れながら、ナッシュビルのミュージシャンたちへの尊敬も受けつつ、その日からほぼ毎日曲を書き上げた。デビュー・シングル「19 You + Me」は、ラジオのリスナーが聞き入るようなキャッチーな曲で、音楽業界誌の「カントリー・エアチェック」史上、初週に最も大きな動きがあった新人デュオとなり、2013年で最もラジオ・リストに追加された曲となった。
ハーモニーが素晴らしいこの曲は、ノスタルジックなテーマを持っており、聞き手の想像が広がるような一曲になっており、
「この曲についてはいつも、19という数字が“19歳”という意味なのか“19年”という意味なのかって聞かれるんだけど、それは聞く人の解釈に任せているんだ。」とシェイは語る。
他のデュオと差別化するようなとても賢明で発明的な言葉遊びとなった。知識がありながらもヒップな観点をカントリーの歌詞に取り入れ、「ダンとシェイはもしかしたら兄弟なの?」とファンに思われるようなぴったりとハモるボーカルを聞かせる。それはまるで、ザ・エヴァリー・ブラザーズのようにタイトだ。
「曲、歌に全てを注ぐんだ。僕らは、ベストを詰め込んだ曲を作ろうと情熱を持った二人のソングライターで、その結晶が僕らの作品なんだ。自然な流れで生まれたものなんだよ。」とダンは語る。
「僕とダンのバイブスで好きな部分は、発する言葉に不安がないこと。「Stop, Drop and Roll」や「First Time Feeling」のように、曲を書いている時は言葉に迷いがないんだ。」とシェイが加える。
その言葉通り、怖いもの知らずな作品が、『Where It All Began』なのだ。ダンに加えて、スコット・ヘンドリックス、ダニー・オートンがプロデューサーとして参加した今作は、彼らをスターとしての位置を確立する作品になるであろう。
そして、ダンのリビング・ルームのテントは、もう必要ないことだろう。
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