1960年代後半~70年代前半、激動期のアメリカで、人種やファンク~ロックという音楽ジャンルの壁を越えて、社会に対するメッセージ性の高い作品を数多く発表した。
中心メンバーのスライ・ストーン(1943年生まれ/本名:シルヴェスター・スチュワート)は1950年代から活動を始め、1966年にスライ&ザ・ファミリー・ストーンを結成。
1967年にデビューし、「ウッドストック」(1969年)や「ワイト島フェスティバル」(1970年)など歴史的なコンサートにも出演した。
人種混合のファンク・バンドという当時としては異色のスタイルで、「ベトナム戦争」「黒人の人権問題」「家族の荒廃」などアメリカ社会のシリアスなテーマに挑み続け、「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」「エヴリデイ・ピープル」「サンキュー」「ファミリー・アフェア―」などのヒット曲を生んだ。
また、『スタンド!』(1969年)や『暴動 (There's Riot Goin' On)』(1971年)などオリジナル・アルバムでは名盤として高く評価されており、ジミ・ヘンドリックスやジェームス・ブラウン、マイルス・デイビスら同世代のミュージシャンたちと共鳴しながらファンク・ミュージックを大きく進化させたと言われている。
現在でも、プリンス、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、パブリック・エネミー、アウトキャスト、ブラック・アイド・ピーズなど幅広いアーティストから絶大な支持を受けている。
リーダーのスライ・ストーンは麻薬中毒などトラブルを多く抱えており、バンドとしては1975年に活動を停止(正式な解散は1981年)。
その後、隠遁生活を送っていたが、2005年にトリビュート・アルバム『Different Strokes By Different Folks』がリリースされ、翌2006年のグラミー賞授賞式に登場し話題を呼んだ。
2008年と2010年に来日し、多くのファンを歓喜の渦に巻き込んだ。2012年にはスライ・ストーンの70歳を記念してキャリアを総括するボックス・セット『ハイヤー!』をリリース。
1968年の幻のライヴ音源が発見され、『Live at the Fillmore East October 4th & 5th, 1968』として、2015年7月にリリースされる予定。
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