トレント・レズナーによって1988年に結成されたナイン・インチ・ネイルズは、インダストリアル・ミュージック・ムーヴメントの先駆者であり、エレクトロニック・ミュージックの進化に多大な影響を及ぼした存在として知られている。複数のプラチナ・アルバムを獲得した『プリティ・ヘイト・マシーン』(1989)や『ブロークン』(1992)、『ザ・ダウンワード・スパイラル』(1994)を含む彼らのレコードは、精巧なデジタル・プロダクションに革命をもたらした。ナイン・インチ・ネイルズは世界中で合計3000万枚以上のアルバムセールスを記録し、米ビルボードの"モダン・ロック"ラジオチャートでナンバーワンを記録した「The Hand That Feeds」、「Only」、「Every Day Is Exactly the Same」、「Survivalism」を含む数々のヒットシングルを送り出し、さらには二度にわたりグラミー賞を受賞している。2013年リリースの『ヘジテイション・マークス』はビルボードのオルタナティヴ・アルバムおよびトップ・ロック・アルバム両チャートで初登場1位を獲得し、ローリング・ストーン誌やニューヨーク・タイムズ紙、スピンやオルタナティヴ・プレスといった数々のメディアが年間ベストアルバムに選出。このアルバムのリリース後、ナイン・インチ・ネイルズは大規模な世界ツアーにも出ている。EP三部作の最初の2作となる『ノット・ジ・アクチュアル・イベンツ』(2016)、『アッド・ヴァイオレンス』(2017)のリリース後、彼らは数々のフェスティヴァルのヘッドライナーとしての圧倒的なパフォフォーマンスでその評価をさらに高めた。シカゴ・トリビューン紙は彼らの「記憶に残る」ライヴセットは「Riot Fest2017で最高の瞬間のひとつ」だったと称え、ブルックリン・ヴィーガンは「ナイン・インチ・ネイルズは、彼らの新曲が昔の曲に匹敵することを証明した......これらの曲は『ザ・ダウンワード・スパイラル』が抱いていたのと同じ独特のスリルを感じさせながら、同時に2017年の音楽における文脈にぴったりとはまっている」と評し、フォーブスは「ナイン・インチ・ネイルズは依然として、疑いの余地なく、世の中のライヴ・ミュージック体験の中でも最高のカタルシスを感じさせてくれる」と絶賛している。
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