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むー の《懐かシネマ MOVIE CHRONICLE 》vol'1『ロッキー』シリーズ 「アメリカで、生卵をゴックンゴックン飲むチャレンジャー」Soundtrack《本命盤》

Playlist byむー

1,279
17
  • 2023.05.29
  • 25:30
  • 8曲
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説明文

シルベスター・スタローンは行き詰まっていました。 30歳になるというのに、ポルノやマイナーな映画くらいしか出演作が無く、未来の見えない状態でした…… 彼は生まれつき 顔の右半分が麻痺し、唇は捻れていて セリフを言う時 「不明瞭だ」 と、指摘を受けていて 顔の表情も乏しく、身長も アメリカ人としては低身長の 170 cm しかありませんでした。 そんな シルベスター・スタローンに運命の日が やってきました。 1975年 3月24日 、ボクシング WBC・WBA 統一ヘビー級王者 モハメド・アリ 対 チャック・ウェプナー 戦 が 行われた日です。 当時 モハメド・アリは、 1974年 10月30日 チャンピオンの ジョージ・フォアマンに挑戦し、 圧倒的不利の予想を覆し、8回 KO勝ちで王座に返り咲き 《キンシャサの奇跡》と呼ばれた試合 直後の一戦 言ってみれば無名ボクサーとの《骨休め》の初防衛戦になるはずでした。 ところが、一試合 900$で試合をこなしていた 36歳のチャック・ウェプナーは 世間から《10万$のファイトマネーの人間サンドバッグ》と思われていたにも関わらず アリのパンチを大量に受け、血みどろになっても倒れなかった 「絶対に倒れない!オレの人生のたった一度の晴れ舞台なんだ!」 ついには 逆に 9ラウンド にアリをボディブローでダウンさせた! 再び アリの猛攻撃が始まる! ウェプナーは耐える! そして最終ラウンドの15回、残り僅か19秒のとこで ウェプナーはダウンする! 終わったか…… いゃ!ウェプナーは再び立ち上がろうとした! 大変な事になった……アリが ロートルの無名ボクサーを KO出来ないなんて…… レフリーはゴングを要請して、試合を止めました。 15ラウンド、モハメド・アリの TKO勝ちです。 観客は総立ちで ウェプナーを讃えました。 試合を観ていた シルベスター・スタローンも この試合に大感激しました。 絶望のドン底にいたスタローンは、ウェプナーの姿に自分自身を重ね合わせたのです。 その勢いで 3日で書き上げたのが 『ロッキー』(76年) です。 その脚本は、ユナイテッド・アーティスツの作品を製作していた アーウィン・ウィンクラーとロバート・チャートフの目にとまり アル・パチーノ や、ジェームズ・カーン、ポール・ニューマン を主演候補として、スタローンと交渉するが、 スタローンは自身の主演を譲りませんでした。 「『ロッキー』は僕なんだ!」 ウィンクラーとチャートフは、100万$の予算で、了承し ポルノ映画 で厳しい予算での作品作りに長けた ジョン・ G ・ アヴィルドセン が監督に選ばれました。 セットを組む予算は無く、オールロケ。 衣装は自前。 フィルムの節約で、リハーサルは念入りに。 スタローンが無名の為、ホントにボクサーのトレーニングと思われ 市場を走り抜けるシーンで、「頑張れよ!」とリンゴを投げる 労働者の生の姿が 撮影されました。 アポロ・クリード ( カール・ウェザース ) との試合のシーンは 8ミリカメラで、リハーサル、アングルの確認をし、 激闘で変形する 15ラウンドのシーンから撮影し、少しづつ メイクを剥がしていく方法を取りました。 最初の脚本では、15ラウンド終了寸前で 試合放棄をする 「お前らの 思い通りには ならねぇよ!」 的な《アンチヒーロー》な終わり方でした。 実際に撮影されたのは、 闘い抜いた ロッキーを誰もいない控え室で、エイドリアン ( タリア・シャイア ) は称え、 二人で控え室から出ていく オリジナル・ポスターにある様な、静かな終わり方でした…… 試写で観た ウィンクラーは撮り直しを決めます。 ウィンクラーも熱くなっていました。 「『ロッキー』の終わり方は これじゃない」 撮り直されたのが、現在 観ることが出来るバージョンです。 判定で負けるが ロッキーは結果よりも 逢いたいひとがいる… 「エイドリアン~!」 熱狂する観客を押しよけ、リングに駆け寄るエイドリアン。 「エイドリアン~!」 「ロッキー!」 「愛してる!」 抱き合う二人のストップモーション…… 製作費 110万$ の映画は アメリカだけでも1億1723万$稼ぎ 世界興収 2億2500万$ も上げました。 評価も第49回アカデミー賞 作品賞、監督賞、編集賞を獲得。 その他映画賞を多数取りました。 プロデューサーの撮り直しが無ければ、もう少し収益の少ない《佳作》の様な作品になったかも知れません。 それ以降、シルベスター・スタローン = ロッキー は、成功の階段を駆け上がります。 『ロッキー2』(79年) ではチャンピオンになり 『ロッキー3』(82年) では、アポロとの友情で 難敵 クラバー・ラング ( ミスター・T ) を倒し 『ロッキー4 / 炎の友情 』(85年) では、アポロの敵討ちで 敵地ロシアで 最強の敵 イワン・ドラゴ ( ドルフ・ラングレン ) と闘います。 ※ 製作費 3400万$ に対し、アメリカ興収1億2787万$、世界興収3億47万$の大ヒット。 『ロッキー5 / 最後のドラマ 』(90年) では 第1作の監督 ジョン・G ・ アヴィルドセン が再びメガホンを取り、 シリーズ最低の興行成績、評価で大爆死を遂げました。 2006年 には『ロッキー・ザ・ファイナル』として老体に鞭を打ち、再びチャンピオンと闘います。 『クリード』シリーズでは、トレーナーとして アポロの息子 アドニス・クリード (マイケル・B・ジョーダン ) を見守って行きます。 映画『ロッキー』の影響は、80年代の《筋肉バカ・アクション・ヒーロー》の時代を呼ぶことになるのですが、 無名の俳優が、 自分の《想い》を脚本にぶつける... という成功例を作った影響も忘れてはなりません。 『ロッキー』は、今も影響を与え続け、 未来のアーティストを羽ばたかせるきっかけになっているのです。 選曲 ①②⑥『ロッキー4/ 炎の友情 』 ③『ロッキー3』 ④『ロッキー5/ 最後のドラマ 』 ⑤『ロッキー・ザ・ファイナル 』 ⑦『ロッキー2』 ⑧『ロッキー』
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