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2020年、マリオ・バーヴァ再評価記念! 需要が少なくともやっちゃうプレイリストォ~ 【マリオ・バーヴァ】 全世界のホラー映画に大きな影響を与えたイタリアン・ホラーの巨匠。 1914年サンレモ生まれ。映画カメラマンであった父親に憧れ、撮影技師として映画界入りする。 1939年には撮影監督になり、1957年には長編映画監督となる。 1960年に撮ったモノクロのゴシック・ホラー『血ぬられた墓標』はホラー映画史に残る名作となる。 その後『白い肌に狂う鞭』などのカラー作品のホラー映画でも高い評価を得る。 1963年の『知りすぎた少女』は、その後大きな映画のジャンルとなる”ジャッロ映画”の初めての作品となり、 (「ジャッロ」(giallo) の語はイタリア語で「黄色」を意味し、黄色表紙で装丁された フランスの幻想文学、犯罪小説、ホラー小説、エロティック文学などのペーパーバックに由来した映画のジャンル) 1965年の『バンパイアの惑星』はリドリ-・スコット『エイリアン』に、 1966年の『呪いの館』はジャパニーズ・ホラーを始め多くの映画監督たちに大きな影響を与える。 1971年の『血みどろの入江』はスプラッター映画の最初期作品と言われ、後に『13日の金曜日』シリーズを始め、多くのフォロワー作品を生み出す事になる。 独特な色彩感覚は、《ホラー・マエストロ》ダリオ・アルジェントに大きな刺激を与えました。 1976年の『ザ・ショック』が遺作。 1980年死去。 息子は『デモンズ』シリーズで知られるホラー映画監督ランベルト・バーヴァ。 《選曲》 ①『ラビッド・ドッグズ』(74年)未公開 監督:マリオ・バーヴァ 脚本:ロベルト・ロヨーラ 撮影:エミィオ・ヴァリアーノ マリオ・バーヴァ 出演:リカルド・クッチョーラ リア・ランデール モーリス・ポリ、ジョージ・イーストマン 製薬会社の給料輸送車から金を強奪した4人組の強盗団、 仲間を1人殺されるも女性1人を人質に取り、警官隊の包囲網を車で突破する。 そして、車の乗換のため、強奪した車には病気で搬送中の子供と父親がのっていた。 強盗団3人と女性と病気の少年を抱えた父親の6人の恐怖の旅が始まる…… ほぼ車の中で展開する壮絶バイオレンス犯罪映画。 この『ラビッド・ドッグズ』、1974年に撮影は終わっていたが、出資者が事故死してしまったことから製作資金が尽きてしまい、 何とお蔵入りになってしまいます。⤵⤵ 幸いにも、主演女優リア・ランデールがネガ・フィルムやサウンドトラックを保存しており、(何故?) 残されたバーヴァの編集ノートをもとに、息子のランベルトと共に1988年完成させたという作品。 当時、60歳のバーヴァは、 通りがかりの人々を次々と殺したり誘拐しながら逃亡を続ける 凶悪な銀行強盗グループと、 たまたま事件に巻き込まれてしまった女性と中年男の地獄巡りを圧倒的パワーで描きます。 そして、クライマックスのどんでん返し!  拉致される女性マリア役の《ドイツ人女優》リア・ランデールは『ワイルドギース』などのハーディ・クリューガーの元妻。 同じく拉致られる地味な中年男を演じるのは『死刑台のメロディ』で1971年 第24回 カンヌ国際映画祭男優賞を受賞した名優リカルド・クッチョーラ。 ジョージ・イーストマンの変名で有名な怪優ルイジ・モンテフィオーリが強盗グループの一味で強烈な個性を出します。 サウンドトラックは、『ラストコンサート』のステルヴィオ・チプリアーニ。 (タイトルが『 Kidnapped 』になっているバージョンでは編集・曲が違う様です。) 『レイジング・ドッグス』(2015)は、この映画のリメイク作。(っても 誰も知らない😅) ②『ファイブ・バンボーレ』(70年) 監督:マリオ・バーヴァ 脚本:マリオ・ディ・ナルディ 撮影:アントニオ・リナルディ 出演:ウィリアム・バーガー、イラ・フルステンベルグ アガサ・クリスティ「そして誰もいなくなった」をベースにしたサスペンス作品。 マリオ・バーヴァ本人は”最大の失敗作”と言っているらしい😌 て言っても、ピエロ・ウミリアーニの音楽は なかなか魅力的。 この『ファイブ・バンボーレ』、プロデューサーから監督の依頼があった3日後に撮影開始という強行スケジュールで製作された作品。 当初手元に送られてきた脚本を読んだバーヴァは、その出来の悪さを指摘したものの、 プロデューサーの熱心な説得と、撮影までに脚本を書き直させるという約束のもとに監督を承諾。 しかし、実際に現場に着いてみると脚本には全く手が付けられていなかったという。 スタッフやキャストも全て会社側が用意した面子(撮影のアントニオ・リナルディはバーヴァ作品の常連だが、これは全くの偶然だったという)で、 バーヴァが口を挟む余地はナッシング~👍 しかも、撮影終了の段階で予算が底をついてしまい、 (またか…) バーヴァ自身が編集をせざるを得なくなってしまう。 彼にとっては苦い思い出ばかりの作品と言えるかもしれない。  キャストで注目は、公爵夫人兼映画女優として当時ヨーロッパで話題だったイラ・フルステンベルグと、 後にイタリアを代表するセックス・シンボルとなるエドウィージュ・フェネッシュ。 とはいえ、一部《好き者》からは有名な作品。 元々、このタイトルを知っていたら、貴方も《私》と同類ね💕 ③『黄金の眼』(67年) 監督:マリオ・バーヴァ 主演:ジョン・フィリップ・ロー『バーバレラ』(68年) 怪盗ディアボリックが活躍するアクション活劇。 司法当局を向こうにまわし、鮮やかな手口で盗みまくる。 カラフルでサイケデリックでゴージャスでグルーヴィーなダークヒーローもの。 原作は“クリミナル”と呼ばれるイタリアの大人向けコミックの人気シリーズ「ディアボリック」。 『ゴッドファーザー』のフランシス・フォード・コッポラの息子、ロマン・コッポラ監督の「GQ」('01)が公開された時、 ロジェ・ヴァディムの「バーバレラ」の引用を指摘されていたが、 『GQ』DVDの特典ドキュメンタリーで、ロマン・コッポラ監督本人が語っているように、 この「黄金の眼」こそが「GQ」の元ネタ。  物語はセクシー美女エヴァ・ケント(マリーザ・メル)を助手に、 世界中の宝石を狙う《謎の男》ディアボリック(ジョン=フィリップ・ロー)と 彼を利用しようとする犯罪組織のボス、ヴァルモン(アドルフォ・チェリ)、 そして彼らを追うギンコ捜査官(ミシェル・ピッコリ)率いる警察の 三つ巴の戦いを描く。 マリオ・バーヴァにとっては初のメジャー大作。 十分に与えられた予算の半分で仕上げてしまったとの事。 さすが、バーヴァ! 伊達に《低予算映画》やってた訳じゃない。 なお、エヴァ・ケント役は当初カトリーヌ・ドヌーヴが演じる予定だったとの事。 そうだったなら、作品の価値は違ったものになってたでしょうね。 ④『処刑男爵』(72年) 監督:マリオ・バーヴァ 脚本:ヴィンセント・フォートル   出演:ジョセフ・コットン エルケ・ソマー オーストリアのある町で”処刑男爵”よ恐れられた中世の暴君が蘇る……という《ゴシックホラー映画》。 『暗闇でドッキリ』(64年)のドイツ人女優、エルケ・ソマーがヒロインを務めています。 ヨーロッパ的なゴシック・ムードの、やや古臭い感じの作品だが、 ステルヴィオ・チプリアーニによる美しいスコアは聴きやすい。 アメリカ人の大学生ピーター(アントニオ・カンタフォーラ)が 両親の故郷であるオーストリアに戻るところから始まる。 “処刑男爵”と呼ばれ、幾多の人々を血祭りに上げた先祖の城を訪れた彼は、 城を研究するスタッフの一人エヴァ(エルケ・ソマー)と共に、男爵の霊を蘇らせてしまう・・・。 城を買い取ろうとする謎の紳士 アルフレート・ベッカーを演じるのは《オーソン・ウェルズの盟友》ジョセフ・コットン。 この役は当初、ヴィンセント・プライスやレイ・ミランドが打診されていたそうだが、 いずれもスケジュールが合わず、 それでコットンにお鉢が回ってきたのだそうだ。 ⑤『白い肌に狂う鞭』(63年) 出演:ダリア・ラヴィ クリストファー・リー 名《ドラキュラ俳優》クリストファー・リーを主演に迎えたマリオ・バーヴァの代表作。 死んだはずの夫の兄が毎晩現れ、若い妻ネベンカの肌に鞭を振るう。 美しい映像の中でサドマゾの猟奇を描いた傑作ホラー。 本作でマリオ・バーヴァはカラー作品のホラー映画でも大きな評価を得、その色彩感覚、コントラスト、イマジネーションは ダリオ・アルジェント に多大な影響を与えました。 舞台は18世紀。 岬にそびえたつ古城に、かつて父親に勘当された長男カート(クリストファー・リー)が戻ってくる。 かつての恋人ネヴェンカ(「明日になれば他人」や「ロード・ジム」などハリウッドでも活躍したエキゾチック美女ダリア・ラヴィ)は、 カートの弟(トニー・ケンドール)の妻となっていた。 カートの帰郷に不安を覚えるネヴェンカに、カートは容赦なく鞭を振るう。 悲痛な叫びをあげるネヴェンカ。 しかし、その声は次第に歓びに変わっていく。 そして、その晩カートは何者かによって殺害される。 悲しみと嫌悪感の狭間で動揺するネヴェンカの周囲で起こる怪現象。 果たしてカートの亡霊が舞い戻ってきたのか・・・。  最後の最後まで亡霊が本物なのか、それとも精神に異常をきたしたネヴェンカの妄想なのかを観客の判断に委ねる、エルネスト・ガスタルディの脚本の妙。 音楽は『友よ静かに死ね』のカルロ・ルスティケッリ。 マリオ・バーヴァは、当時のイタリア映画の定番《なんちゃってハリウッド映画》に寄せて、 ジョン・M・オールド と、アメリカ人ぽく変名を使ってます。 ⑥ 『ザ・ショック』(77年) 監督:マリオ・バーヴァ 主演:ダリア・ニコロディ(当時のダリオ・アルジェントのかみさん) 《キャッチコピー》 思いっきり―― 悲鳴をあげてください。 映画史上空前93分39回連続ショックに挑戦してみませんか。 郊外の古い屋敷に、ドーラ(ダリア・ニコロディ)と 息子のマルコ(デヴィッド・コリン・Jr) そしてドーラの再婚相手ブルーノ(ジョン・スタイナー)が移り住むことになった。 やがて、息子は奇妙な行動を取り始め、数々の超常現象がドラを襲う……。 前夫の幽霊の仕業か…… 不可解な現象にドーラの精神は、むしばまれていく……。 マリオ・バーヴァの遺作。 脚本は、息子のランベルト・バーヴァ 他、フランチェスコ・バルビエリ、パオラ・ブリジェンティ、ダルダーノ・サケッティ 母親に駆け寄ってくる少年が、突然血みどろの幽霊に変わるシーンが有名! 『デモンズ』を撮った、息子ランベルトのカラーが強い作品ですが、 もともとは、父マリオにモダン・ホラーを撮ってもらいたいというランベルトの思いから生まれた作品で、 脚本家のダルダーノ・サケッティと共にスティーブン・キングの小説を意識して脚本を書いたといいます。 実際に撮影現場でもランベルトが演出を任されることが多く、当時既にあまり体調の思わしくなかった父マリオにとっては、息子に監督としての経験を積ませるための作品になったようです。 当時イタリアン・ホラーの巨匠として世界中の注目を浴びていたダリオ・アルジェント監督の嫁だった女優ダリア・ニコロディが橋渡しとなり、 アルジェントと親交を深めたバーヴァは彼の「インフェルノ」('80)の特殊撮影と一部演出で参加。 映画人として《新旧交代》を果たしたのです。 後、soundtrack のイ・リブラ。 プログレ寄りのロック・バンドの起用は、アルジェントの『サスペリア PART2』や『サスペリア』(1977)におけるゴブリンからの影響を受け まだまだ《若いセンス》を持ってるというマリオの心意気を感じます。 ⑦『ロイ・コルト&ウィンチェスター・ジャック』(70年) 監督:マリオ・バーヴァ  脚本:マリオ・ディ・ナルド  撮影:アントニオ・リナルディ 出演:ブレット・ハルゼイ チャールズ・サウスウッド マリル・トロ マリオ・バーヴァ監督のマカロニ・ウェスタン・コメディ。 バーヴァにとっては3本目のマカロニ・ウェスタン。 この作品も駄作脚本『ファイブ・バンボーレ』のマリオ・ディ・ナルディの為、 バーヴァはディ・ナルディの意図を無視して、ウェスタン・コメディに仕上げることによって脚本の不出来をカバーしようとしたそうです。 それでもどうにもならず、緩~いウェスタンになってしまいました。  主人公は2人のカウボーイ、ロイ・コルト(ブレット・ハルセイ)とウィンチェスター・ジャック(チャールス・サウスウッド)。 2人は強盗などをして食いつないでいるが、悪人になりきれないためにいつも腹ペコ状態。 そこで2人は、袂を分って真っ当な道に進もうとするが・・・ 『風来坊/花と夕日とライフルと…』(70年)など、コミカル・ウェスタンの先駆け的作品とも言える。  主人公のロイ・コルトを演じるブレット・ハルセイは、 ハリウッドで青春スターとして活動するものの、芽が出ず、 仲代達矢も出演したマカロニ・ウェスタン『野獣暁に死す』にモンゴメリー・フォードの名前で主演し、 一躍国際的なスターとなったアメリカ人俳優。 (あいつか😵) 相棒のウィンチェスター・ジャックを演じるチャールス・サウスウッドもアメリカ人俳優で『荒野の無頼漢』のロシア人貴族役で知られる。 ⑧『モデル連続殺人! 』(63年) スタイリッシュでモダンでエレガントでバイオレントな 1964年作、猟奇サスペンスの傑作。 後に《ジャロ》と呼ばれるようになるこのジャンルの原点であり金字塔でもある。 原題は『殺人者のための6人の女』……って微妙にネタバレ。 出演:エヴァ・バートック キャメロン・ミッチェル 脚本は、マルチェロ・フォンダート マッシモ・パトレジ、アルフレード・ミラビル  ファッション・ショーのリハーサルが行われた晩、モデルのイザベル(フランチェスカ・ウンガロ)が惨殺される。 そしてショーの当日。モデルの一人がイザベルの日記を発見。 その場に居合わせた誰もが目の色を変える。 その日記には、関係者たちの他人には知られたくない秘密が記されていた。 そして、その日記を巡って目を覆う凄惨な連続殺人事件の幕が開く。 赤々と燃えるストーブで顔面を焼かれ、 庭園の暗闇で細い首を絞め上げられ、 バスタブの中で半裸で溺死する美しき犠牲者たち…… 彼女らのドレスを鮮血で染める恐るべき覆面殺人鬼の正体は果たして誰か? 一人また一人と関係者が殺害されていく…… そして次の生贄は…… ファッション・デザイナーのクリスティアーナ役はハンガリー出身でハリウッドでも活躍した女優エヴァ・バルトク。
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