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説明文

君に告げます。仕事休みました。内緒です。嘘で休んだんです。分かります。これで仕事を任されることも無くなるし、みんながどうしてそんな人になっちゃったのか分からくなっちゃった、と言うと思う。 それでも、今頃、世界は正しい方向に回っていると思う。電車は走っている、だから時間は正確に時を刻んでいる。でも世界から僕はズレた、一日ズレた。しばらく横になってたら下になっていた左肩が痛い。 今日一日のチケットをムダにしてしまった。もしかしたらプレミアムプラチナのヤツだったかも。そんなことより、誰かに会いたい。話しをしたい。そのために歯を磨いて身体を綺麗にしたい。笑顔のやさしい人。 毎日コンビニのおにぎりの夕飯を食べたくないんだ。何か温めても温めてもすぐに冷えてゆく食べもの。君は何を食べてるの。って話したい。神様なんかに話したくない。クスクスキャッキャってなりたいんだ。肩と腕が触れ合う距離で。 でも、靴を履いて外に出てももう誰もいない。それは過去の思い出。 僕、検品に引っかかっちゃったかな。僕は今、神様が作った綺麗な中庭と池のある工場のコンベアに乗って流れている。 自分でプログラムしたコンベアに乗って始まった人生。部品を並べて、溶接してネジ回して、回路を入れて、組み立てている。最後にコンベアが終わって下に落ちてゆく。 その先のことは分からない、見えないんだ。でもちゃんと組み立てれば間違いは起こらないんだ。だって、神様が作った綺麗な工場だから、システムもしっかりしてる。神様、その先には何が有るんですか。何か私、プログラムを間違えてしまったんでしょうか。ラインからはねられちゃったかな。部品ばらせば何とかなるでしょうか? 神様いない。廃棄の箱があるだけ。 君が好き。この香り好き?ねえ、いつもいい香りつけてるよね。柔軟剤なんて言わないでよ。絶対違うよ。会いたい。でも、君が乗ってる電車には乗れないんだ。だって、そうすると今晩メンツ揃えられちゃうでしょう。みんな、「大丈夫!」って攻めるんだもん。だから、さよなら。
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