壁のバカ

孟司養老の壁のバカお読みになりまして？何年前？バカ売れしたらしいですが。僕はもちろんお読みになりませんよ。元々流行りものや行列のできる店や世間が騒いでるものには背を向ける人間ですのでね。 ですが聞きかじったものを要約してみるならこういうことですか？間違ってたらごめんなさい。 一言で云えば ‘人間話せば分かる’ なんていうのは嘘ってことです。そうなんです。同じ人間なんだからちゃんと話したら相手はきっと理解してくれるに違いないなんていうのは甘ったれの幻想なんです。何故なら例えば相手が聞きたくないことなどをいくらコンコン話したところで脳が情報遮断という分厚い壁をおっ立ててしまうので話が一向に通じることはないんです。怒り狂ってる相手にその愚かさについて理路整然と説明なんぞしようものなら怒り倍増火に油なのと同じこと(こっちも喧嘩する気満々なら有効ですが)。 例えばイスラム原理主義やテロリストに法のために人殺しするのは人道に反しますよと云っても無駄だし創価学会員に池田大作は大ぺてん師ですよと云っても無駄なんです。脳に堅牢な壁築きあげてますから。 最近の例として顕著なのはやはりコロナですか。ちょっと前にこんなことがありましたっけ。こちら４人で夜８時までのささやかな飲み会してる時僕らの向かいの席に中高年のカップル(こちらは僕らより先に店にいたんですが)が急に席を移動し始めたんですよ。あらうるさかったかな？と思いましたが見ると料理や酒が目の前にあるのにマスクしたまんまなんですね。どうやって飲み食いするんだこの人たちは？てそこまでは見なかったですがこんな人たちもいるんですよ。そんなにウイルスが蔓延してるんだったらあなたがお口に運んでるその料理にも箸にも口紅べっとりついたグラスにもすでにウイルス付着してまっせ。外で食事なんぞせんほうがよろしい。おもいましたがね。 こういう人たちにコロナ騒ぎは茶番ですよなんて云っても聞きません。テレビ脳がおバカな壁おっ立ててますから。 あとは去年の11月から続く米大統領選の不正問題ね。こちらもテレビ脳の壁の前にはいくらこっちが知りうる真実を話してみたところで八？てなもんですよ。もうすっかり変人扱い。変人は褒め言葉でもあるのでかまわないですがそれでも親しい人との間にふっと立ち現れる壁の存在に気づかされる時にはこんな僕でもちとやりきれぬ思いに苛まれるものです。 ですが所詮僕らは一人一人がエイリアン。マスクは常時するぐらいの心遣いは見せますがこの妙ちくりんな世間に心まで同調する気はさらさらなく孤立もいたしかたなくそれもまた佳し。かえってこの訳の分からない自分というもののアイデンティティの再確認にもなることでしょう。このどうしょもない社会におっ立つおバカな壁の前で。