1990年代、米国のHIPHOP業界は東海岸と西海岸が対立していて、その結果、何名ものラッパーが殺害されたのです。
当時のHIPHOP業界は、ギャングスタという暴力的や性的な直接的な表現をを前面に押し出したHIPHOPが台頭していたのですが、本来言葉を音楽として表現するラップが、暴力的な表現だけではなく現実的な暴力として行使することが「カッコいい」という風潮になってしまっていたようです。
そして、その中で才能がありまだ若いラッパーが命を落とし、その中の4名が「Like Toy Soldiers」の最後に描かれています。
「Like Toy Soldiers」はその4名に対する鎮魂歌であり、かつその争いを繰り返さないためのいわば反戦歌でもあるのではないかと考えています。
その後、東西での対立は徐々になくなり、東海岸のラッパーを西海岸のアーティストがプロデュースしたりその逆もあったりで、「いいものはイイ!」という原理原則がHIPHOP業界でも一般化していくことになります。
なお、MVで凶弾に倒れるラッパーを演じているエミネムの親友でもあるプルーフ(Proof)は、のちに銃弾を受けて亡くなったというのは、皮肉でもあり、かつ悲しい現実でもあります。
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