潮鳴市のWatchmanである青山無宿は市内繁華街のビルの一角に事務所を構えている。潮鳴市は西国の港湾都市で、小さいながらも空港と自衛隊、米軍駐留基地もある。だからあらゆるものが入り、出て行く。無宿は自分にとって良いものは街に入れ、悪いものは出てゆかす。余所から見ると無宿の考えは恣意的で危なく感じる。彼には肩書きも地位もない、求められても名刺すらない。事務所には看板は無し、ドアには番号も無いから郵便物は素通りする。だが、それでも訪ねてくるものはあり、電話も鳴る。つまり、無宿の存在は潮鳴市では、
一人ではあるが隠然たる一つの勢力なのである。何故に一勢力足り得るのかというと、かれは超常能力により昼は超人、夜はそれに加えて不死であり、且つ、その素性は宇宙人である。かれは狼女、猫男、人魚の3人を従え潮鳴市のGateKeeperをしている。かれらの鼻、耳、目によって求める情報を得て動く。そこでは噂は事実となり、あらゆるものが無宿のもとを流れてゆくという真実になる。潮鳴市では死体すら埋もれることは無く無宿により流れてゆくのである。その原則故に軍関係、公安、シンジケートらは無宿に手を出さず、逆に無宿はかれらに手を出す。だが、ある日、潮鳴市の全てのものの流れが無宿によって止められる。これにより、あらゆる勢力、あらゆる連合と戦うこととなる。
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