聖女って何かな。って思うわけです。イエスってアニマの顕現です。物語を読まさせられてるようだけどそうではない。隠されていた言葉の発現、そして価値の逆転がそこにはあります。でも、聖女は物語。だから、結末は残酷。天に昇ってこそ救われる無情が聖なる冠なのです。でもそれは、些末なこと。聖女の原形はマリア様、イエスのご母堂です。で、実際は誰も尊顔を拝した者は現在いないのですから、思い思いの母像をそれぞれに造り上げます。抱きしめてくれる母、やさしく叱る母、頬を両手で挟んでくれて励ます母、笑顔で黙って見ている母、どんな母の姿でも何かしらの絵画、映像、憧れの人、という雑音が入ってくる。雑音に対しては歳がいくほど脆く崩れやすいもので、全能の母は疑いの母となりやすい。難しいものです。心の全てを託して、預けて、返す。これが出来なくなるのは辛いです。わたしは、子どものころ夢の中で窓から天使が入ってきて、一緒に遊びました。別れの時に流した涙で目覚めましたが、あまりにもの幸福感で満たされたので、あの時の経験から夢の中で聖女が現れたら、進んで求めてゆくと思います。進んでゆけば必ずあなたを揺り動かすような強い愛で包んでくれます。夢の中なのですから受け止めないのは損ですよね。大丈夫、これを味わえば逝くことの意味が変わってきます。
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