我が名は語り部 Y。 この奇妙な一団のたびに同行し、 その顛末を伝える者。 悪食娘と呼ばれた大罪人、 バニカ・コンチータ。 死してなお悪魔として 現世をさまよい続けた彼女は 世界の終わりを見届けた後、 異世界へと旅立った。 神を滅ぼそうとした仮面の科学者。 神の血を引く邪悪な双子。 神になれなかった臆病な黒鳥。 神を恐れぬ優しき巨人。 神から死を奪われた執事。 そして……無数の生きた屍。 これらの従者たちと共に、 バニカは次元の扉をくぐった。 常識の通じぬ世界で旅を 続けるには、 新たな身体が必要だった。 獣の身体を手に入れた旅人たちに さらなる旅の道連れが加わる。 神を憎む盲目の少女、 バーム・クーレン。 バニカと同一の遺伝子を持つ、 もう一人の悪食娘だ。 終わりなき悪食の旅が今、始まる。