食材の多い料理店 (feat. KAITO)

歌詞

全身白髪だらけだと 赤いとさかを撫でながら フライ・キッチンがぼやく 石臼での粉挽きなど 生まれて初めて 昔は そんな身分じゃなかった 屍用人に身を落としても 家畜の姿に変わっても 意外と気分は悪くない 今になって気がついたのさ 机に積まれた札束など 何の意味も無かったんだと 肉の焦げた匂いが漂う 次は自分じゃない事を祈る ずっとうんざりしてたのさ ２３人の兄弟ども ようやく別れを告げて ポーク・チョップは独立した 嬉しい事のはずなのに 何故だか少し寂しい 鼻を鳴らして野菜を切る 刃物の扱いは慣れたものさ 何人も刻んできたから 稀代の始末屋だったのに 今じゃのろまの従兄弟にさえも 頭があがりゃしないのさ 熊の瞳がこっちを見ている 獲物が自分じゃない事を祈る 憧れのあの方にならば 食べられても構いませんわ シャトー・ブリアンは言い切った あの日話しかけられなくて 助ける事が出来なかった 後悔は今も残る １６人目のコックになる 決意して門をたたいたけど 既に屋敷はもぬけの殻 今ではもうあの時とは 全てが変わってしまったけど 変わらないものだってあるの けだるげな赤猫をみかける 自分のお腹の肉をなでる たどたどしい手つきの料理 行う弟子たちの姿を 俺は無言で眺める 昔のことなど忘れた それでもこの調理場には 懐かしい匂いがする 誰かと旅をし料理をする それがかつて自分が望んだ 生活だったのだろうか 店をにぎわす異界の客 彼らのために用意された 新たな食材を手に取る 幸せの花は赤く奇麗で メインディッシュのスパイスに最適 再び弟子たちに目をやる 選ばなければならない メインディッシュの食材を 不足で困る事は無い ここはとても食材の多い ミスター・ドッグの料理店