夏の匂い 呆れるほど 軽はずみだった 二人 雲の切れ間に 手が届く気がした 名もない午後 古い神社で コンビニの売れ残った 花火広げて 「罰当りかな」って 君が笑うから 僕も笑う 「何お願いしたの?」 「背が伸びますように」 なんて嘘をついた 神様なんて 僕はいらなくて 永遠に並んでいられますように どして 抱きしめても 夏は過ぎていくんだろう やけにはしゃいで 泣きそうになって 祈るように咲いた線香花火 か弱い 灯りを 見つめた 夏の終わり 金魚鉢に大きな影 覗いて 君を掬った 僕だけを世界に置き去りにして 叶わないから願い事なの なんて子供みたいに 神様なんて 何もできなくて 祈っても呪っても成就しないなら どして 君の声が まだ聴こえてしまうんだろう 身を寄せ合って 一つになる影 時を止めるように咲く線香花火 か弱い 灯りが 一つ 消えた 神様なんて取るに足らなくて 永遠なんて永遠に来ないのなら どして 何度でも 夏はやって来るんだろう 君が枯れたって 記憶の中で 永遠に咲き続く線香花火 か弱い 灯りを 二つ 重ねた