移りゆく街と 変わりゆく景色は 時の流れを捻じ曲げてしまう 記憶 を置き去って 見知らぬ人の波に埋もれ 並に埋も れ 疎ましくて 妬ましくて そう思う 自分が 大嫌いで 零れ落ちた掬えぬ命の光が 両手を すり抜けていく ‘‘あの頃は’’とか過去に縋って 俯 いてばかり それじゃ今と変わんないぞ 未来は 溢(あぶ)れたまま弄(ひねく)れた少 年は確かに 夢を描いていた 知らないフリで 忘れたフリで ま た歩いていく わかってるんだ やりたいことは わかってるんだ 足りないことは どれもこれも中途半端 足りないこ とはわかってるんだ わかってるんだ やれないことは わかってるんだ やらないからなん だって 言わないでよ 痛いほどわかってる から 壊れかけた揺れる心の行く末は 何 処に向かっている? 誰かの顔色を伺って 諂(へつら)っ てばかり それじゃ今と変わんないぞ 未来は 目覚めた朝、陽を浴びた少年は確か に 前へ指さしていた 悟ったようなフリして 手を伸ばし たところで 誰かの言葉に惑うくらいの覚悟なら いらない