ぬるい夏の風の中歩く一人線路沿い 夕立に走る人の中空を仰ぐ 真っ赤に染まった西の雲 今あの子はしあわせだろうか? 真っ赤に染まった踏切を 渡る勇気すらもない体 がたんごとん がたんごとん 人の乗らない電車はどこへゆく がたんごとん がたんごとん 私はどこへもゆけぬのでしょうか 蝉の声遠く響く 空に浮かぶはぐれ雲 幼き日に感じてた広い世界はどこへ ゆらゆらとのぼる陽炎に 自らの道さえまぼろしか 背中を押されたあの人も この町で年老い笑うだろう がたんごとん がたんごとん 人の乗らない電車はどこへゆく がたんごとん がたんごとん 私はどこへもゆけぬのでしょうか