誰も踏み入る事など 許されない世界を目指しひとり 向かった少女がいた 時空よ歪めと魔女の呪い奪って 寝息も聞こえぬ午前二時 息を潜め箒に乗り 月の裏にあると噂で聞いた 押しボタンを探し飛んだ 「恐れる事よ起きないでくれ」 そう願って許されぬ罪を犯したんだ 空気に呑まれている方が 何よりも悪のような気がしたから 正義だとか不義とか 僕らは見苦しいほど争いたがる いつからこんな思想を 植えつけられたっけ? 「あぁ...時代のせいか」 またなすりつけあい誤魔化す 時代という壁に隠れてさ 孤独に飛び立った小さな背中見て 何も思わないの? 同じ時を生き 互いに明日がある事を 彼女は全力で訴えている だが、 「たかが少女の泣き声なんて」と 宥められてしまうのがこの世だ 少女は牢獄に けれど僕は宣言するよ 彼女は犯罪者なんかじゃない 魔女の血を奪い 時空を歪めかけたのは 全部僕らのせいじゃないのかな まだ見ぬ世界を必死に守りたい そう願った少女の話