赤文字が煩い立体駐車場 死角を映し出さない後写鏡 片方失くしたコンタクトレンズ 寂れた無人信号機 今日も摩天楼が煌々と鼓動する 流れ出したシナプスの行進の性で 眠れない細胞が眠らない街を生み 出す 黝猫の瞳に映るのは、 綺の様に麗しい逆説(paradox) つまり、 轟く命と黒い影は無色の裏紙 眠り姫が恍惚の笑み 浮かべた刹那 また誰か、夜の深淵に 午前0時の高速道路 対向車線 通り過ぎて行く前照灯 (headlight) 指紋だらけの鏡玉 交差点の黄色点滅信号 明日も摩天楼が煌々と鼓動する 壊れだしたシナプスの行進が清か 叫ばない細胞が叫ばない街を生み 出す 黝猫の瞳に映るのは、 玲瓏たる月の温度 しかし、結び開いて 轟く罵声は真理 眠り姫が犯行前夜の銃声を今 反旗を揚げた 夜の深淵に 黝猫が死にました 世にいう不慮の事故 金木犀の匂いが こんなにも五月蝿いなんてなあ 黝猫の瞳に映るのは、 綺の様に麗しい逆説(paradox) つまり、 轟く命と黒い影は無色の裏紙 眠り姫が恍惚の笑み 浮かべた刹那 暗数抱いて 夜の深淵に