泥だらけで腰掛けた てのひらには鉄の匂い 青と黒の間のオレンジに 今日も僕は 見惚れている まだできないままの逆上がり 5時の鐘が鳴る 帰りたくないな 心が導くほうへ 自分自身を追い越したくて 胸を張れることがほしくて 君に褒めてほしくて 未完成で甘酸っぱいような このオレンジの中に まだいたいな 灯りがつく ちらほらと 顔を上げたら 欠けた月 いつも通り時間も忘れて 今日も何かに とらわれている 僕には 理想の自分があるから 泣き顔なんて見せたくなくて かっこつけたままでいたくて 隠していた傷跡 不確定で目には見えないような 心がずっと僕を 動かしている 不安で夢中なんだ 明日が怖くて だからこそ必死で 手を伸ばすんだ何度も あきらめたくないな 波打つ鼓動に 突き動かされた 意味なんていらないんだ 今日のぶんのオレンジが終わる ふてくされてひとり歩いていた 反対側から誰かの影 ふと目が合う帰り道 曖昧でほろ苦いような あのオレンジみたいに 僕の顔が染まっていく 心が導くほうへ 自分自身を追い越したくて 胸を張れることがほしくて 君に褒めてほしくて 未完成で甘酸っぱいような このオレンジの中に まだいたいな 明日は隣に君が いてほしいな