なんでもない朝の喫茶店は 気の抜けたボッサ 横の席の老紳士は フォークでバナナ 落とした目の先に 大仰なタイポグラフィー 何気ない噂も少しは気になる マリオネットみたいな生き 方だろうけど 糸が切れても自分で立てるかい? 君の気持ち 神のみぞ知るの 薄笑い、僕は小首をかしげて トーストかじる 眦を伝った雫を 見ることはないだろう どうやったって僕は場末の男だから 隣ではひらりと頁を捲る音 僕は三枚目のトーストを貪る 君は奴に何を捧げたんだろう 全て断ち切った先の楽園で 生きていくのかな そして、老紳士は袋とじ切り裂く! 明け透けに! これでやっと自由になれたの この世界の摂理なんて無視して 薄笑い、僕は小首をかしげて 横を覗き見る