嫌なくらい夜は短い 寅三つ刻に間抜けな蜩 鳥が鳴いて、犬も啼いて 猫も杓子も皆で「おはよう」 昨夜、山を越えた 海を感じる場所に行きたくて 立ち止まった道の駅は 飯も杓文字もなんにもなかった 思い立った旅にだって 有給休暇は使える 着の身着のまま身一つで 恋に落ちるのもいい そういうのがいいね 太陽が追いかけてきても 織りなす影に火もまた涼しい 街いきれ、陽炎の美しさ 冷房がなくとも ここは良いトコ 今日を生きるために昨日を 忘れるのはいいことなの? 置き書きを残して我に帰る 自分を忘れてはいけない