Track by仮病
一夜限りの春を売り 飴玉ひとつ握りしめ 霞がかった朝焼けの 祇園坂はモノクロかな 懐かしき無垢な乙女は 鬼に攫われ消えました 溺れた朧月の夜 祇園坂は哀しきかな ほろりほろり通り 雨に濡れたとしても それで胸が軋むほど 弱くはありません 歪な夜 虚しき吐息に 毒を盛って毒を制す もう一人の私に鳴かせて 咲かせましょう 鳥籠から 眺める景色は 変わらず雨が降りしきる 今宵の晩も偽り鳴かせて 咲かせましょう 鳴かせて咲かせましょう ほら 指折り数えましょう 貴方のお迎えを 今宵も...