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小さな丸いくぼみ

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1
  • 2022.05.01
  • 4:21
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歌詞

通りに面したボックス席の ちょうど大きな窓の途切れる辺りを 選んで 余分に一枚着込んだ上着を脱いで 今年最初のアイスコーヒー イヤフォンピースの取れた 右のイヤフォンが 優しい歌さえ尖らせてしまう 手つかずのまま置き去りにされた 隣の席のブレンドコーヒー 昼下がりの街の喧騒 十九時には閉まる店 店がここにできる前 恋人たちは何処で 待ち合わせたのだろう 五十年も前に亡くなった 作家の小説を 時を忘れて開いて閉じて 街が黄昏に包まれるころ ぽっかりと小さな丸いくぼみ 北へ南へ家路を急ぐ 車や人や 自転車の絶え間のない行進が 逢魔が時をひと跨ぎにして 僕一人だけ取り残されたみたい もうしばらく帰っていない 故郷のことを考える 店がもしもなくなったら 一体僕は何処へ 何処へ行けばいい もう十五年も歌ってきたんだな すり減らした指の先 実家にあるのと同じ柄のソファー そこにできた小さな丸いくぼみ もう十五年も歌ってきたんだな あっという間で噓みたいだな 実家にあるのと同じ柄のソファー そこにできた小さな丸いくぼみ ぽっかりと小さな丸いくぼみ

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