長い夜が明けてゆく。首だけの鳥が飛び立つ。 狭い部屋の窓際で、誰もいない街を眺めてる。 繰り返した日々はもう、 終わりを告げ、還ってゆくの。 あの日、君と手を繋いだ。煙の中で夢を信じて。 「忘れ物はもう無いですか?」 「鍵は閉めて捨てましたか?」 「泣いてるのは何故なんですか?」 「それも嘘なんですか?」 夜が明けて、ただ、永く赤い雨が落ちる。 闇に気付いても、僕らはまだ少し怯えてるの。 首のない鳥が神社の影に静かに佇む。 「鯨波の街」を繋いでいる 4つ目の壁をすり抜けてく。 「怖くないの何も無くても。」 「捨てた鍵はソファーに埋めた。」 「濡れた瞳。訳は無いの。」 「本当は気付いてたの。」 空の鯨から闇を造る合図の唄。 古く懐かしい声。緩やかに壊してく、裂ける様に。 そして、朝が訪れる。 救いの唄が響いてる。 「トト」の拍手は止んで、 夜が無い世界が始まってゆく。