静まり返る校舎の裏 授業を抜け出して二人 神社へ続く坂を走った微妙な距離を 取りながら それでも一緒に二人 声を忍ばせて笑い合った 淡い思い出の道を神社へと向かう こぼれ落ちた 記憶を辿る 古ぼけた景色の中で 名前を呼ぶ声が聞こえる 記憶のままのこの場所で後ろを振り 返る そこにはもう誰もいなくて 風だけが通り過ぎる どんな話をしていたっけ 沢山の時間を過ごして あんなに見ていたはずなのに 眩しい笑顔に霞む 見慣れた仕草で駆け寄って 一緒に帰る日常があった 風に運ばれてくる懐かしい薫り 忘れていた記憶を届ける 古ぼけた景色の中で 名前を呼ぶ声が聞こえる あの時の声は今はもう 届くことはない 落ちてくる雪のように ただ溶けて流れていく 手のひらから零れ落ちていく 記憶のかけらを ひとり必死に拾い集めて 温もりを求めた 古ぼけた景色の中で 名前を呼ぶ声が聞こえる 記憶のままのこの場所で後ろを振り 返る そこにはもう誰もいなくて 風だけが通り過ぎる 古ぼけた暖かな景色の中 ただ笑い合った日々 思い出をありがとう 遠く離れた景色の中で 佇む 古ぼけた暖かな景色の中 ただ笑い合った日々 あのとき思い描いた 未来の景色に立っている 遠く離れた景色の中で 思い出をありがとう (二人 歩いた道は途切れることなく 続いていた 歩き始めてから別々の場所へ 続いていたと知った 遠く離れた古ぼけた景色の中で 佇む 手のひらから零れ落ちていく 記憶のかけらを ひとり必死に拾い集めて) あんまり学校に来ないし 来たらこうして授業をさぼる そう言うと平気な顔して 一緒にいられるからと答えた ダメだよそんなことを言っちゃ どんな 顔したらいいかわからなくなる 目を離すと 君はすぐにどこかへいくんだ だからこの気持ちには 気付きたくないんだ 微妙な距離を保ちながら 近くで君を見続けている だから誰を見ているか知っている 誰かに向けられた 眩しい笑顔も怒った顔も 隠さない感情は真っ直ぐで ころころと変わる表情は君の心を 映し出す鏡で どうかしたのと聞けば不安げな眼で 訴えかけてくる ダメだよそんな顔をしたら 受け止めてしまっていいのかわから なくなる ダメだよそんなことを言っちゃ どんな 顔したらいいかわからなくなる 気付かれたくないこの気持ち 泣いている今に君には絶対に