それは音のない 幻燈のように 記憶の片隅に ただ遺されていたもの 振り返ることさえ できない私を 幼いぬくもりで あなたは包んでくれた 灯火に重ねた 思い出がいつか 移ろいゆく風に 揺らいだとしても 忘れたくない 人がいるなら もう一度 声を聴かせて 途絶えた明日を 取り戻すために 何度でも 歩き出せると 教えてくれた あなたを守りたい 碧く尾をひいて 空を翔る矢のように 何も見えないと うつむき続けて 欠けてゆく私に さしのべられたその手は ささやかな光を いくつも集めて ひび割れた心に 明かりを灯してくれた この先を見つめる 眼差しがいつか くり返す痛みに 滲んだとしても 明日を願う 人がいるなら もう一度 声を重ねて 途切れた道を 描きだすために 何度でも 小さな願い かなえてくれた あなたの掌は 哀しみをつつむ 遠い歌声のように もう一度 夢を見させて 夜空に碧く とけてゆくアリア もう二度と 迷いはしない ともに駆けゆく 未来があるから くじけても 倒れてもいい 傷痕さえも 誇れるよいつか 何度でも 信じてみたい 願う力を つくりだす強さを 輝き続ける 黄金の星々のように