神風に舞う 桜は吹雪というよりも 塵 豊潤なピンクのインクを 水につけ 乾かし 余白を添える 脈拍と同期し 坂を下る 土の臭い 甲骨と 蝶々 目眩 正したい思考回路 爆発する 色彩 街の異名 拡大する 大木の幹の妙 かつて 同い年だった私たちは 数年ぶりに出会うけれど そこには かつての面影はなく ただ 引きづる健康体で抱く 心 汚れ切るわけでなく 静けさに慣れ切っているだけ iphone のはらわた見つめ郎 こんな時なにが言えるだろう 勘繰った頭やけに冴え渡って 三周した部屋 に突如 氷が激突 周りを塗りたくる藍色 それは海 平成14年のみ 轟いた稲妻に 心惹かれて 写真に収めた春 まだ 夜は終わりでなく 静けさは暗渠に流れ着き やがて 忘れ去られてしまう 死の匂いや虚無、やるせなさに 畏怖に 威風堂々と立ち向かう 名前をつけないで 名前をつけない