てぃだに焼けた赤瓦 囲う石垣に咲く花々 門に並んだシーサーと 庭のフクギに憩う鳥たち 幼い頃に住んでいた 古い赤瓦の家 開けた作りの平屋の中に 灯りをつける やさしい風 三線の音に みんなが踊れば 真似して踊った 夏の夜 海に向かう坂の下 ポツンとあった赤瓦の家 あれから月日が過ぎた今 周りには連なる新しい家 ひとり 跡地に 来てみれば 崩れた石垣があるだけ 赤瓦の家はもうないけれど 咲いているのは 愛しい風 蚊帳をつって 布団並べて その真ん中で にぃにぃと眠る 赤瓦の家はもうないけれど いつもそばで 微笑んでいる 寄せる島唄 月のぬくもり 星の輝き 朝の光 島人心 わしららん