始発の6番線ホームに紛れ、 空いているベンチに座った 迷いなく列車に乗り込む人々が 横目に通り過ぎる 出発準備の汽笛を鳴らして僕以外を 連れて行く 行きたい場所などなくて 周りが羨ましくて 何か少し変えたくて覗き見る 朝の風景 冷たい視線に負けて立ち去る 硬い椅子の上 ここにもう居場所はない、 だから信じられる方へ 午後9時、 くたびれた幾つもの顔は 帰れない足取りで歩く 駅の植え込みに突っ伏している間も 世界は動き続けている 辺りとは違う時間が僕だけ 流れているようだ 受け入れ方を覚えた 満たされないものが減った 割り切ると言えばそうだ 所詮ただの言い訳だ 町に投げ捨てた身体 剥がれかけ古いポスター 咳き込む手吐く血の赤 痛みは忘れる明日