端っこの席で身を縮めて グレースーツに身を固めて 前髪の奥に 君は何を思っているの? 建設中の高層マンション 真昼の新宿の青空を 刈り取ろうとクレーン車が もがいている最中に いつもより早く駅に着いた 機械的な習慣で右手を 改札機に残額は無く はっ と我に返る うつむきがちに歩き続ける 色とりどりマフラーの彼女 冷蔵庫みたいな ビルに吸い込まれていく背中 ずいぶん遠くまできたね ささいな事ばかり繰り返し いつか消えて無くなるなら 軽々飛び越えてゆくよ 枯れた瓦礫の街で 世界の終わりを せかす様な夕暮れに 海へと続く道を 君と歩いた それだけの日々も あの頃の様に何にも 変わりはしないさ 広すぎる空の向こう