昨日の午後から降り続いた雨も 指先染めてく雪になる 染み込んだ今日の靴の中の隙間さえ 私のこの街の思い出になる 駅からの長い帰り道 先を急ぐ 控えめに挙げた手では タクシーも止められず スクリーンで見た景色 ほら 街に浮かぶ いつでも悲しみは窓を出て 北風と水溜りに溶けてく 会えなくなりそうな人と さよならする時を想うより 今楽しそうな私達を抱きしめる 電車の窓から見た吹雪ゆく風 明日の朝には跡形もない いつかのどこかでまた雪を見たなら 何でもない日常の暮らしを思い出す ダッフルコートで風を切る 影が踊る 自転車通り抜けたら アパートまでもうすぐ 明日あたりには春の風 街を揺らす 希望に似たような少年よ どうかずっと良いことが ありますように