季節を載せた風は蛇を取りながら あそこの十字路で見失う 飛び立つことを知らない 小さなこの羽は 嫌いじゃないけど どこかもどかしいよ 真実は 指先で 切り裂ける 音楽よりも深く 目をとじて、目を閉じて 風の音を聞いて その中に大切な 歌があるから 雨に迷う私に 手を差し伸べてくれる 誰かを探すよりも 自分を探す 私が生まれた森とは違う速さで それぞれの場所で季節が 繰り返される 花は時が来れば 素直に咲いてゆくし 私にだって飛べる時がくるはずね 鮮やかな 冬が来る 見上げれば 孤独の蒼い空 雨の日も風の日も そして雪の朝も 地図を燃やす炎で 風向きを知るの 手をつなぐそのかわり 歌を口ずさめば 傷つけ合う力を 優しさに変える 目をとじて、目を閉じて 風の音を聞いて その中に私の 歌があるから 雨に迷う私は まるで小さな小島 露を弾く花びらの 強さが欲しい ほほを刺す風は今 春に向かう翼 舞い散る雪はきっと 桜に変わる