取り繕いすぎた頬は強張って 仮面のように張り付く 曇った瞳を覗いて あなたはやさしく笑った 眼差しは降り注ぐ光 纏わり付いた埃を払って 鋭い囁きは研がれた刃 縫い目を解いていく さあ捲って 古い傷跡を 熱く滾って 堪えきれない さあ捲って 頁の向こう側まで 思いっきり 焼き付けて ためらいは帳のように 甘い匂い漂わせて 燻る真夏の蜻蛉は遠く 揺れる さあ捲って 古い傷跡を 熱く滾って 堪え切れない さあ捲って 頁の向こう側まで 思いっきり さあ辿って 古い傷跡を 熱く滾って 堪え切れない さあ辿って 頁の向こう側まで いま きらり弾けていく