ねぇ、あんなに遠いと感じた 細い上り坂も 夏休みも 僅かと思うんだろうか 大人になってしまったら もう、会うこともないだろうと 今、一生分の言葉を探す おかしいな 語彙はそんなに 乏しいはずじゃないのに 明日にはもう誰もいなくなって 孤独とも違う震えを知る朝が来る ただ愛しい別れの日に 振り向かないで 行かなくちゃ またいつか なんて無くても 僕らは覚えている内緒の暗号も 放課後にしか無い茜の空も さよならなんて似合わない 運命が遠く掛け違えても 最初の一つだけ お揃いだから良い 全部消えても ただそれだけは 解(ほつ)れない <間奏> 今、思えばあの諍い(いさかい)も 秘密の近道も 綺麗な君も 別々に終わった青春も 全部優しい日々だった 変わらないのは記憶だけでも 行き過ぎてしまう僕らを 照らす灯りがただ一つ… 一つあれば良い! 振り向かないで もうそこに 少年の永遠はないから 汚れのない手も 擦り切れるほど 幾度と無くこれから探すんだ さよならなんて似合わない 運命が遠く掛け違えても 僕らを繋ぐ最後の夕焼け きっと忘れない… 全部消えても ただそれだけは 解(ほつ)れない