いま、解き放たれる。ついに。 ついに。 暗がりの部屋にも散乱した 書物にもどこにでもある髪の毛にも 感じなかったワクワクを。 やっと、やっと、やっと。やっと。 この部屋で時が止まってから何日が 経ったでしょうか。 はるか昔のように感じると同時に、 すぐ隣にはあなたの声が聞こえる 気がする。 あなたの笑い声。どうしてだろう。 こんなにも、こんなにも。 見えない。 もう。 ねえ、どこにいっちゃったのかな。 ああ、 どこにもいなくなくなっちゃったの か。 まあ、 ここにもいたくなくなるよね。 さあ、外に出よう。 やあ、こんにちは。 はあ。 わあ、素敵な妄想だこと。 それはすべて、 あなたの気持ちの悪い 自己防衛でしかない。 そろそろ目を覚ましなよ。 悪いのはあなたなんだから。