街は今日も雨さ びしょ濡れの心の向うに 標識がかすんでみえる 街は今日も雨さ 16の夜 家を出た おふくろは行くなと泣いた 知らない街でポリバケツをかぶっ てそれでも笑っていたさ 怖いものなんて何もなかったから とりあえずは食う事さ 新聞の広告で仕事をひろった 朝から晩まで指紋がすりきれるほ ど 皿を洗いつづけてたったの320 0円 つぶれかけたスナックの裏にある かび臭い部屋 俺のねぐら なにが都会の気ままな暮しだそれ どころじゃねぇ まったくそれどころじゃねぇ 日曜日の昼間ともなれば気が狂う ほどの忙しさで 俺は飯を 食うひまもなく立ったまま残飯を つついた そんなくりかえしの毎日がやたら 俺を弱気にさせた 立ってるだけで やっとの街でいったいなにがつか めるんだい 久しぶりにおふくろに電話をかけ る 雨降る街の赤茶けた公衆電話から おふくろは静かな声でたったひと 言 生きてなさい そう言った 街は今日も雨さ びしょ濡れの心の向うに 標識がかすんでみえる街は今日も 雨さ 街は今日も雨さ びしょ濡れの心の向うに 標識がかすんでみえる街は今日も 雨さ 今日が昨日のくりかえしでも 明日が今日のくりかえしでも 今日が昨日のくりかえしでも 明日が今日のくりかえしでも