テールランプの赤い光が 長い長い列をつくってチカチカ 井の頭通り 友達は苛立ちながら ぬるいウーロン茶ホルダーから 取り出し すぐに飲み干す iPodからさっきから ジェームズチャンスばっかが流れて BAD な空気をさらに演出 緑の液晶にはすでに深夜3時の表示 さっき高速のサーヴィスエリアで 買ったせんべいを食べる 運転席の友人にもそれをあげた 車内はすぐに バリボリバリボリ音で満たされ また次の静寂 twilight,twilight twilight,twilight twilight,twilight twilight,twilight 窓を開ける 冷たい新鮮な空気と共に入ってきた 奇妙な鳥の鳴き声 「なんの鳴き声?」 近くの動物園から ヒッチコックの「鳥」さながらに 群れをなし飛び立つ鳥の影 満月の夜の光に照らされる あのシルエット あれはペンギン…? 翼を取り戻したペンギンたちが 空を飛び交う 「うわー,すげえ!」 と慌ててデジカメ取り出す 後部座席でさっきまで寝てた友人 もちろんその 決定的瞬間を捉えることは かなわなかった… なぜペンギンが 動物園を抜け出したのか 彼らが今どこにいるのか それは誰にもわからない ただ我々は後日 この思い出を 「exotic penguin night」と 呼ぶことにしている