灰皿には安いタバコの 吸殻が積もっていて しょぼいビールと缶チューハイと 諦めきれない夢と 君をさらおうと手を繋いだ あの神崎川、今も覚えてる 「星がみえるよ」「星がみえるね」 天の川の声がした あの夜は定規を当てて測るには ちょっと変な形してたけど 窓の外を流れた街と 椎名林檎のアルバムと "注射器をここに捨てないで" って書かれた張り紙と 三ツ矢サイダーの香り 覚えてる 覚えてる あの神崎川の風 灰皿には安いタバコの 吸い殻が積もっていて たとえば電話、たとえば東京、 たとえば愛の形 泣く為にあるダサい映画 借りて泣いてる夜のくだらなさも 許し合おうよ、僕は許すから 何もかもを許すから 雨降りの天神橋と 青信号が繋いだ交差点の端と端 カラオケで聴いた愛の歌 排気ガスでなぞる夏 死にかけのパンクロックを 鳴らすたびに思い出す 文化包丁の白さ 覚えてる 覚えてる あの神崎川の風