帰り道タクシーの窓ガラス 雨に滲んで 流れる信号の青色 そのひとつひとつに こっそり名前をつけた ひとつには いつだか京都は 二条駅のライブハウスで アコースティックギター1本を 回し歌った あの曲の名前を 夜も構わずに洗濯機を回して 脱水機がガタンゴトン 君がいない夜を また思い出そうとする音 帰り道、信号機につけた名前 とっくにほとんど忘れてしまった アコースティックギター1本を 回し歌った あの曲の名前も 暖房の近くに服を吊るして眠り 3時頃ふと目が覚めた 分度器のような 青い月が朝までの角度を測る