濡れた頬 くすぐる風 桟橋に 重なる影 黄昏に 月の雫 切なげな 瞳ふせた 強引に 引き寄せて 背中越し 囁いて 何処かに消えてゆく 香りだけ 残したまま 絡めても 絡めても すり抜けていく すぐそこに 感じているのに 手を伸ばすと まぼろしみたい 掴めない 流されて 流されて 抜け出せない この想い ひとりよがりでも 胸の奥に 閉じ込めるの 火照る夏の残り香を 窓の外 遠い灯り 波の音 耳を撫でる 意地悪が こぼれる指 くちびるを そっと塞ぐ 濡れた髪 ほどいたら 後ろから 抱きしめて 温もり 感じたい 首筋に 滑らせて ゆっくりと ゆっくりと 満たされたい まばたきを する間にも 永遠だけ 信じていたい 今はただ 流れても 流れても 重なり合う 二人だけ 戻れない時を 刻むから 夢の滴 果てるとこまで 溺れてよ 絡めても 絡めても すり抜けていく すぐそこに 感じているのに 手を伸ばすと まぼろしみたい 掴めない