『Ramune』 お祭り騒ぎを 離れてふたり抜け出した ちょっと恥ずかしいからって 視界をみずに沈めて見た たゆたう空と歪んだ表情に 確かに君を感じてた もしも魔法が使えたら もういちど味わってみたい マボロシみたいで そこにはあったよ もしも魔法が使えたら いっぱいに満たしているのに ガラス瓶のなか空っぽのまま 今でも締め付ける きつい浴衣を覚えている 君と歩いて眺めた 景色は今も忘れちゃった ぬるいサイダーと 転げ回るグロッケンの音 そんなありえなかった風景も 泡沫に消えるの あの日見てた花火は 望遠鏡覗いたみたいに 滲んで広がって笑って見えた あの日つむいだ記憶は こんなにも溢れてくるのに ガラス瓶のなか空っぽのまま 空蝉と共にして 平たく落とした影法師 さんざんと散った 帰る場所だった 変わるべきならば お別れだね それは夢みたいだった 宵闇に見上げた花火は 滲んで広がって瞬いてるの それは夢みたいだった ゆっくりと輪郭を変えて 僕の頬から伝って落ちた 魔法が使えたら もういちど味わってみたい マボロシみたいで そこにはあったよ もしも魔法が使えたら いっぱいに満たしているのに ガラス瓶のなか空っぽのまま